The search for genome 'dark matter' moves closer

The search for genome 'dark matter' moves closer : Nature News
ゲノム塩基配列中の1塩基に、サンプル内で1%以上の頻度の違いが現れる時のことを一塩基多型SNPs(Single Nucleotide Polymorphism)という。この違いが例えば酒に弱かったり(酒酔い遺伝子(アルデヒド脱水素酵素)のSNPs)、肺がんに罹りやすかったりする(p53遺伝子のSNPs)ことが、最近のゲノム解析の結果わかってきている。SNPsの数は、被験者のサンプル数が多くなればなるほど数多く発見されていて、いまやヒトゲノム1000塩基中に1つの割合で見つかっている。また、このSNPsが数多く分かれば個人に適した『オーダーメイド医療』の実現に前進することに繋がり、ヒトゲノム解析次世代プロジェクトとして国際的に立ち上がっている。the 1000 Genomes projectは各人種のゲノムサンプル1200人分を集めてそのすべてを解析してSNPsや突然変異を調べることを目的として1990年代からスタートしており、今年中に全解析が終了すると記事では伝えている。
そのデータ量は膨大で、数ペタバイトのディスク容量を必要とし、塩基数は2兆個に近いという。サンプルの人種はアジア系、アフリカ系、ヨーロッパ系、アメリカ系と様々で、しかもその親子間や一卵性双生児間の違いも遺伝子レベルで調べることができるという。一卵性双生児はもちろん遺伝的には同一なんだけど、環境の違いによって活性されるもの不活性となるものと分かれていくそうだ。だから、幼児期は瓜二つだった二人が、年を重ねていくうちに容姿、性格とも違いがはっきりしてくる。でも、どこが環境依存の塩基配列なのか、親から子へどの塩基が遺伝してどの箇所で発現するかはよく分かっていないらしい。ここでいう「ダークマター」というのはこの部分のことで、親子間の遺伝情報の違いを解明しないことには、遺伝病の発病予測や治療に生かすことが出来ない。そのためあらゆるサンプルを集めてブルートフォースに解析し、遺伝子治療に役立てようという試みがこのプロジェクトなんだ。日本でも日本人集団のゲノム塩基データベースは整っているみたいだね。