discover “doubly strange” particle


http://www.interactions.org/cms/?pid=1026747

フェルミ国立研究所のテヴァトロン(陽子反陽子衝突加速器)で新粒子を発見したそうだ。構成はストレンジ-ストレンジ-ボトム(s-s-b)と陽子や中性子と同じくバリオンと呼ばれる、クォーク3つからなる部類に属する。質量は陽子の6倍程度(6GeV)ぐらいとかなり重い。bクォーク(4.2GeV)が含まれるから当然か。(5σ以上でシグナルが取れているということはsignificance)

電荷を−1持ちスピンは1/2という。名前をΩbと呼ぶらしい。Ω粒子は2つのストレンジと残り重い(s,b,c)クォークから構成されているバリオンのことを呼ぶが、Ωマイナスが基底状態であとは共鳴状態と考えられる。つまりb,cクォークは重いのですぐに安定なΩマイナスに崩壊してしまうため。
面白いのはbクォークが入ったバリオンで最も重い粒子が実際あったこと。クォークモデルで予想されているスピン1/2のバリオン形が実際に存在していたということと、やはり高エネルギー加速器の特性を生かした発見ということ。

崩壊ではΩマイナス(s-s-s)とJ/ψ(bb)に崩壊してΩマイナスがさらにΛとKマイナスに壊れるといった反応を観測することでΩbがあったと判断するのか。b→sのweak decayということ。質量は崩壊で出来たミューオンパイオンから算出したんでしょう。

フェルミ国立研究所のKronfeld教授は

The measurement of the mass of the Omega-sub-b provides a great test of computer calculations using lattice quantum chromodynamics,”

とのコメント。格子QCD分野の有名人でしかも自分が研究してきた直上の話題なだけある。しかしこれは格子QCDのグランドチャレンジに近い。bを含んだ計算は難しいうえ、それが3体となれば一体どれほどの統計精度と計算機能力が求められるのやら。。。